7 「展示された音楽―音楽取調掛の博覧会参同と〈この国のかたち〉」(査読付)
文部省の音楽取調掛は明治12(1879)年に設置され、明治20(1887)年に東京音楽学校(現東京藝術大学音楽学部)の設置に伴い発展的に解消された。音楽取調掛はこの間、海外での博覧会に少なくとも3度、参同したことがわかっている。本論文はその時の出品物を、博覧会に関する政治的・思想的観点から分析し、音楽取調掛の博覧会参同の根底にはナショナリズムやオリエンタリズムといった近代的な観念が横たわっていたと論じた。
昭和音楽大学音楽芸術運営研究所『音楽芸術運営研究』、第1号、13~34頁