15 「柳澤健の1940年代タイにおける事績 —柳澤健研究 2」(査読付)
昭和初期日本の対外的文化政策史研究はまだ十分ではなく、アジアで唯一の同盟国タイとの文化交流の実態は明らかでないことが多い。これらの研究の足場を得るには、柳沢健に注目するのがよい。柳沢は1930年代の日本対外文化事業草創期に外務官僚としてそれに関与し、1940年代前半にバンコクに設けられた日泰文化会館の館長を務めた人物である。本稿は柳沢の思想と事績を解明する意義を述べ、その一部を整理・記述した。
昭和音楽大学音楽芸術運営研究所『音楽芸術運営研究』、第4号、5~17頁