11 「音楽における「近代の超克」 —諸井三郎の「近代」観念」(査読付)
座談会「近代の超克」は昭和17年7月23~24日に13人の学者や批評家らが出席して催された。本論文は作曲家諸井三郎の座談会での発言、座談会の事前論文やその他の論考を対象にして、諸井の「近代」観念について分析した。その結果、諸井は、西洋文化と日本の古典文化を止揚して新しい文化を創ることが「近代」を超克することであり、そのような音楽は「普遍性」「生活性」をもつ音楽であると考えていたことが明らかになった。
昭和音楽大学『研究紀要』、第29号、27~36頁