【パネリスト】上田誠二、酒井健太郎、橋本久美子
パネルディスカッション「音楽は教育や社会といかなる関係を結んできたか――1930~40年代の東京音楽学を事例に考える」の一部として、東京音楽学校と「邦楽」のかかわりについて整理・報告した。東京音楽学校では開設時より「邦楽」の教習がおこなわれたが、1936年に至り改めて「邦楽科」が設置された背景には社会全体の国粋志向(つまり政治的含意)が強かったのであり、必ずしも「邦楽家」たちの芸(術)的要請がそれを推し進めたわけではないことを明らかにした。東洋音楽学会第64回大会でのパネルディスカッション「1930~40年代の東京音楽学校」(平成25年11月)に新たな論点を加えたもの。