音楽の講義における引用と参照―講義に音楽を挟む場合の論理構造上の機能―
一例を取上げ、講義中の音楽演奏を、他者作品を取入れて説明する「引用」、理解深化のために資料知識を提示する「参照」に準じるものとみなし、講義の構成における音楽の位置づけを考察した。結果、①引用的再生②言語化された音楽表現の再生 ③言語説明の音楽による代替④繰返しといった機能を持ち、音楽の 1 節を聞かせて聞き手を引き付ける役割や、詳細な言語で説明しきれない内容を例示する役割で使用される事例が見られた。
『昭和音楽大学研究紀要』