会議におけるパワー行使と創発的ネットワーク(査読付き)
本稿では日本の大学院生の授業中のグループ会話が、どのような言語行動上の規範の下で行われているかをエスノメソドロジーの手法を使って明らかにした。 その結果、話題提示直後の沈黙のみの返事は、一般的な会話では話題の拒絶と見られ話題提示者の面子を保つために避けられているのに対し、授業中の会話では頻繁に生じていることがわかった。沈黙を生じさせてでも考え、何らかの解釈を試みるべきという規範が覗える。
『言語文化と日本語教育』20号