35 「1930年代のラジオ「国際放送」の音楽コンテンツ:日本人の「文化的アイデンティティ」に関する考察に向けて」(査読付)
1930年代の新聞記事を調査したところ、音楽による「国際放送」は最低37番組おこなわれたことが判明した。番組について名称・目的などを抽出し、音楽コンテンツをもとに類型化し、年代、相手国・地域などとのクロス集計を試みた。当時の日本人の「文化的アイデンティティ」は、純粋な「邦楽」「洋楽」にあったのではなく、歌謡曲、和洋合奏、「邦楽」を改作・編曲したものなど、折衷的なものにあったということが示唆された。
『音楽芸術運営研究』第12号、35~56頁