21 「昭和初期の対外文化事業における伝統と普遍——『国際文化』誌の邦楽に関する記事にみる」(査読付)
財団法人国際文化振興会の機関誌『国際文化』の1938~44年発行分の掲載記事を分析し、対外文化事業の対象国・地域、内容、目的などの変化を辿った。その結果、この時期の対外文化事業の性格が、欧米諸国に対する日本の文明性と伝統性の両面のアピールから、アジア諸国・地域との協力関係の構築と文化の相互理解を通じた「大東亜共栄圏文化」の創造をめざした、文明性・融和性の協調へと転換していったことが明らかになった。
昭和音楽大学『研究紀要』、第33号、4~16頁