<小論・記事等>13 「書評 長木誠司『戦後の音楽——芸術音楽のポリティクスとポエティクス』」
日本音楽芸術マネジメント学会『音楽芸術マネジメント』、第4号、129~131頁
第2次世界大戦後の日本の音楽の状況を、GHQの音楽政策、合唱運動・うたごえ運動、十二音技法、オペラ、映画の音楽、放送、音楽批評の諸視点から明らかにした浩瀚な一書を採り上げて、伝統の創造、想像の共同体、アイデンティティなど、こんにちの歴史研究に必須の概念を理解したうえで書かれた本書は、今後の音楽史記述のスタンダードを提示したものであり、さらに音楽と社会構造の連関を書いた社会史としても読み得ると評した。