<研究発表・報告>19 「藤原義江と外務省1936-1938——南米演奏旅行を中心に」
昭和音楽大学アートマネジメント研究所研究員会議(昭和音楽大学・南校舎)
藤原義江(1898-1976)は「われらのテナー」と評され愛された。彼の音楽活動や人生については、これまでに複数の自伝・評伝・小説が刊行され、おおよそのことは明らかになっているように思える。しかし詳細に検討すると、従来の言説には欠落や齟齬が少なくないことがわかる。1937-38年の南米演奏旅行はその一例である。そこでこの演奏旅行に関する外務省記録をもとに、この藤原の足取りを整理・報告した。