アンテベラム期のアメリカ高等教育史におけるイェール報告の位置 : トマス・クラップのカレッジ・カリキュラム論との比較を通して
イェール・カレッジの初代学長であるクラップの教育思想を検討した。これまでは、実質陶治的側面を考えず形式陶治的側面を重視してきたと解釈されてきた。しかし実際には、クラップの思想にはこうした近代的な二項対立は存在せず、同一の過程において両者が達成されるものと考えられていた。当時のアメリカのカレッジは中等教育的な要素が強く、このクラップの考え方は近代の中等教育のあり方を考える上でも重要である。
『慶應義塾大学大学院社会学研究科紀要』第77号、慶應義塾大学大学院社会学研究科